【車が勝手に暴走も!?】車の暴走事故の原因は高齢者のペダル踏み間違いだけが原因なのか?
最近のニュースでもよく話題になっている車の暴走による事故。
日本中で毎日事故は起きているのですが、ニュースでは高齢者の暴走事故ばかりを取り上げるので「高齢者=危険」というイメージになっています。しかし実際にはアクセルとブレーキの踏み間違いは高齢者に限らず若い年代のドライバーでも起きています。
年代別で見てみると、踏み間違えた経験が「何度もある」「一度だけある」と回答した割合は20代が30.9%、30代が22.6%、40代が22.3%、50代が13.6%、60代が10.3%、70代が9.1%。予想に反して、高齢者世代に比べ若い世代のほうが割合が高いという結果となった。
https://response.jp/article/2019/06/09/323257.html
これを見て、単に高齢者だけが悪い!と言えるのでしょうか??私個人的には、それはちょっと乱暴な意見だと感じています。
それは、若い年齢の人はペダルの踏み間違いをしても間違ったことにすぐに気が付いて事故に至らないことが多く、あまり問題視されないだけで「ペダルを踏み間違えてしまうこと」は年代にかかわらず起きているのが現状だからです。
つまり年齢的な問題よりもむしろ踏み間違いを起してしまうクルマの構造(ペダルの構造、ペダルの位置など)にこそ問題があるのでは??と私は感じています。
そこで、ペダルの踏み間違え事故・暴走事故について操作ミスはもちろん信じられないような事例も含め私の考えをまとめてみました。(ちょっと長い記事なのでブックマークするのをオススメします)
ペダルの踏み間違い事故の種類
アクセルとブレーキの踏み間違いによる事故は2つの種類に分けられると考えています。
- 停止状態からの誤操作によるペダルの踏み間違い
- 走行中の誤操作によるペダルの踏み間違い
停止している状態からのペダル踏み間違い事故は、駐車場で入出庫する際など前進・後退ともに多くコンビニなど店舗に突っ込む事故などがあります。
走行中の誤操作による事故は、H31年4月19日に起きた池袋の暴走事故やH31年6月4日に起きた福岡の暴走事故などです。
福岡の暴走事故は、ニュースやyoutubeなどや映像からブレーキランプが点灯していないことがわかりましたが、同一車線の車や対向車との衝突を避けるようにハンドル操作をしていたようにも思えます。
また、助手席の方が足元に潜り込むようにして亡くなっていたと報道もあります。わざわざシートベルトを外してまで足元に潜り込むでしょうか??
これは、ペダルになにか異常があったため、どうにかしようと潜り込んだのではないか?とも推測されています。
車に問題があったかどうかの検証が行われたか不明ですが、ただの踏み間違い事故でないかもしれません。(個人の感想です)
1、停止状態からのペダル踏み間違い事故について
停止状態からの事故については、疑いようもなく運転者のミスによるペダル踏み間違い事故と断定できると考えます。
特にAT車はDまたはRレンジに入れたら、アクセルを踏むだけの簡単操作で車を動かすことができてしまうことが事故の多さの原因であると考えられます。
MT車の場合は、半クラッチ操作によって少しずつ車を動かすため、このような事故はまず起こりません。
運転操作のミスが起きやすいことはATの車が販売されるようになった当初から指摘されていたことですが、私もAT車は構造上の欠陥に近いものだと思います。
これとは別に、走行中に起きた暴走事故に関しては、暴走の原因が単純なペダルの踏み間違いだけでは無いのではないか?と思うところがあります。
2、走行中に起きる暴走事故について
走行中の暴走事故の可能性として考えられる原因
- 何かを避けようとするなど咄嗟のブレーキ操作をしようとして間違ってアクセルペダルを踏みこんでしまった(単純なペダルの踏み間違い)
- 車の制御を行うコンピューター(ECUやCANシステム)の誤作動
- 外部からのハッキングよる暴走
え???と思う項目もあると思いますが、一つずつ解説していきます。
1:単純なペダルの踏み間違いについて
停止状態からのペダル踏み間違い事故と同じく、人為的な単純ミスによる誤操作が原因の事故です。
これは高齢者に限らず若い年代の人でも起きてしまう運転ミスの一つですが、特に反応が遅れがちになる高齢者やアクセルぺダルをブレーキだと誤認し続けて気が動転してアクセルを踏み続けてしまう事例がこのような暴走事故に発展してしまう可能性が指摘されています。
私はこのようなアクセル全開のまま暴走してしまう事例の事故については、物理的にアクセルが戻らなくなってしまったことが原因の事故もあるのではないか?と思っています。
それは、例えば純正以外のフロアマットを使用し、アクセルペダルがフロアマットに引っ掛かり戻らなくなるといったことなど・・・・
*ツイッターでも!
プリウスのアクセル操作事故の原因の1つ。 pic.twitter.com/nhbLKTEOuF
— HK (@KuzuharaHideo) June 5, 2019
ツイッターの投稿ではプリウスという車種が強調されていますが、車種に関係なくおきる可能性があることなので、社外のフロアマットを使用している方はペダルが干渉しないかよく確認して下さい。
フロアマットが引っ掛かるのはアクセルペダルを奥まで踏み込んだ時なので、そこまで踏むことはないのでは?と疑問をもってしまうかもしれませんが、ブレーキだと思って間違ってアクセルペダルを踏んだ場合は一気に奥まで踏み込んでしまいます。
これは、ブレーキペダルに対し、アクセルペダルは非常に軽く、弱い力で踏んでも奥まで踏み込めてしまうようになっているからです。
危険回避などで急ブレーキをかけるつもりでアクセルをベタ踏み ⇒ 間違いに気づき慌ててアクセルから足を離す ⇒ アクセルが戻らず全開加速を続ける
といった具合になったら、ペダル踏み間違いに気づいたとしてもそれこそパニックに陥ってしまうでしょう。
アクセルペダルが戻らないような状態になってもブレーキを踏めば止まると指摘される方もいますが、アクセル全開で加速している状態ではブレーキをかけてもアクセルがキャンセルされるわけではないのですぐには止まれません。
ブレーキのほうが加速力よりも強くなるようにはなっていますが、完全停止するまで通常の制動距離よりかなり長い距離が必要です。
またブレーキを強く踏み続ける足の力も必要になってきます。
しかし!!MT(マニュアルトランスミッション)車の場合は、アクセルが戻らないことが起きてしまってもクラッチを切ればエンジンの駆動力を即座にカットできるので簡単に対処可能ですが、AT(オートマチック)車の場合はそれができません。
ですから、AT車の場合はアクセルペダルが引っ掛からないかどうかの確認がより必要になってきます。
2:車の制御を行うコンピューターECUやCANシステムの誤作動
現在販売されているクルマは、古い世代の車と違って非常に多くの部分をコンピューターによって制御されています。
最近の車で誤作動が起きたら怖いと思うことの一つが、スロットル・バイ・ワイヤ技術による電子スロットルの誤作動です。
かつてのエンジンのスロットルは、アクセルペダルから伸びた物理的なケーブルワイヤーを引っ張ることで機械的にアクセルを開けたり閉じたりしていました。
現在の車に採用されている電子スロットルというのは、アクセルペダルを踏んだことを電気信号に変換し、それを受信したコンピューターがスロットルを制御しています。
つまり、物理的につながっていたものが電気信号による制御に変わったということです。
電子スロットルは、アクセルペダルを踏んだことを電気信号でコンピューターが感知してエンジン回転やモーターの出力をコントロールしますが、もしコンピューターに静電気や異常な電波などによって間違った信号が入ってしまったら、アクセルペダルを実際には踏んでいないのにエンジン回転が上昇して勝手に加速してしまうという可能性も考えられます。
そんなこと起こるわけない!っていうのがメーカー側の意見でしたが、過去に電子スロットルの誤作動は実際に起きてしまっています。
★実際に起きてしまった電子スロットルの誤作動に関するリコール
平成13年10月25日に出されたマセラティのリコール内容です。
http://www.mlit.go.jp/jidosha/recall/recall01/10/recall10-25-2_.html(3)原動機の電子式スロットルにおいて、アクセルペダル信号が、ワイヤーハーネス上で他の信号と混信することがあり、そのままの状態で使用を続けると、エンジン回転数が急に上昇したり、一定以上に上昇しないなどアクセルペダルの操作と異なるおそれがある。
http://www.mlit.go.jp/jidosha/recall/recall01/10/recall10-25-2_.html
これは海外のメーカー(マセラティ)での事例ですが、日本車においても可能性がゼロではないと思うのはわたしだけでしょうか。
3:外部からのハッキングよる暴走
サイバー攻撃という言葉は聞いたことがある人は多いと思いますが、車にも起こっていることはご存知ですか?
自動運転の推進などクルマを制御する技術が発達すればするほど、ハッキングの対策も強化していかないと恐ろしいことになります。
まだまだ先の話でしょ?って楽観視する方も多いと思いますが、ハッキングによる車の遠隔制御(乗っ取り)はすでに起きているのです。
(参考:【遠隔操作】ハッキングで車が暴走!?)
【ハッキング?広島市大が実証】
広島市立大学大学院情報科学研究科の井上博之准教授が2015年12月に行った実証実験の光景だ。実験では、クルマのメンテナンス時に診断用機器をつなぐ「OBD―II」という接続口に、特殊な車載機をつないだ。この車載機を通じ、CANと呼ぶ車載LAN上を流れるメッセージを読み取って解読。インターネットとスマホを介して、偽の操作メッセージを送れるようにした。
同様の手法で車載システムをハッキングされた(乗っ取られた)例は海外では報告されている。だが日本車がハッキング可能だと日本で実証されたのはこれが初めてだという。
車の「乗っ取り」が現実に?日本車のハッキング実験成功 海外ではリコールも
日刊工業新聞 https://www.nikkan.co.jp/articles/view/00396292
このような事例が海外だけでなく日本の国内でも起きる可能性があるということをまず知っておいて欲しいと思います。
運転者の誤操作以外にも車の暴走が起きてしまう可能性があるということは、とても恐ろしいことです。
自動車メーカーさんには、ドライバーがペダルを踏み間違わないような構造のペダルを採用することや、電子部品の誤作動防止やハッキング対策を今後もしっかりとお願いしたいと思います。
ペダルの踏み間違い対策品は、「ペダル操作を間違えたら作動する」タイプのものがほとんどですが、そうではなく「踏み間違えをさせない」ための対策を積極的にするべきです。
誤作動による暴走が起きてしまったら
もし、ハッキングやコンピューターの誤作動による暴走で事故を起こしてしまったらどうすればいいのでしょうか?
車にはEDR(イベント・データ・レコーダー)という飛行機のブラックボックスのような記録装置がついているから、誤作動を解明してくれるから大丈夫と思うかもしれません。
しかし、EDRは記録を改変できないようにメーカーしか解析できないようになっていることと、ペダルの操作状況までしっかり記録されているのか?という不安が残ります。
メーカー側が不利な結果だった場合、すべてを開示するのか?ペダルの電気信号だけでなく、実際に踏んだということが記録されているのか?という不安です。
例えば、アクセルを踏んでいないのに勝手に加速してしまった場合、コンピューター側ではアクセルを踏んだという「誤った信号」を受信したと記録されてしまっていたらどうでしょう?
実際にはアクセルを踏んでいないのに、EDRの記録でアクセルを踏んでいたことにされてしまったら・・・。事故の加害者にされてしまうかもしれません。
これを防ぐためには、室内も映せるドラレコのカメラ等で足元のペダル操作も記録するしか方法はありません。
今でも車内を記録するカメラは存在しますが、足元までは映せていないでしょう。
今後、原因不明の暴走事故が増えていくようであれば、自己防衛のために足元を記録するカメラも必要になってくるかもしれません。
最近話題になっているクルマの暴走による事故は、高齢者の操作ミスということになっていますが、もしかしたら誤作動やハッキングによるものもあるのかもしれないとも噂されています。
私も実際に起きている事例を見る限り、これに関しては完全に否定できないのでは?と思うようになっています。もし私が最新のAT車を購入するとしたら、通常のドラレコはもちろん足元用のドラレコも追加で装備するか検討するかもしれません。
誤操作をしていないのに車の暴走事故が起きてしまったときに「アクセルを踏んでないのに暴走した」と証言してもおそらく誰も信じてくれないでしょう。
「アクセルとブレーキを踏み間違えたくせに!うそを言うな!!」って言われてしまうのが落ちです。
その時に、暴走事故が起きた時の映像として足元のペダル操作が映っていれば、本当にアクセルを踏んでいないことを証明することができます。
ペダルの踏み間違い事故が起きてしまうクルマの構造に問題はないのか
アクセルとブレーキを踏み間違うというのは、単に高齢者だからという理由にしてはいけないと思います。
ペダルの機能や配置も含め、構造的に踏み間違いやすいようになっているとしか思えません。
AT車においては、根本的にペダルの踏み間違いが起きないような方式や右足でアクセル・左足でブレーキなど絶対に間違わない操作方法に変える必要があると思います。
ただ、ずっと今まで方式を変えなかったのは既存のMT車からAT車に乗り換えたときに、操作方法を変更すると混乱する可能性があるためという理由でペダル位置やペダルの構造の変更が行われなかったと言われています。
AT車による事故が増えてきた当初、後にAT限定免許というものが登場しましたが、この時にこそMTとATのペダルの仕組みについて議論をすればよかったのでは?思っています。
ペダルの踏み間違い対策品について
ペダルの踏み間違い事故が話題にあがることが増えてきている背景から、踏み間違いを防ぐ対策品がいろいろな会社からアフターパーツとして出てきています。
ペダルの踏み間違い対策品として、オートバックスで販売している「ペダルの見張り番」やナンキ工業株式会社の「STOPペダル」などがありますが、どちらも「ペダルの踏み間違いをした後に対処する方式」です。
このようなペダル操作を間違った後に作動する対策品の場合、運悪く故障したりして作動しないということも考えられますよね。
本来なら「踏み間違いをおこさない」モノが必要だと感じていました。
実はそのような画期的な「踏み間違いを起さない構造」の優れたペダルがあるんです!
それは、ナルセペダルと呼ばれている「ナルセ機材有限会社のワンペダル」です。
ナルセのワンペダルはペダルを踏む動作はブレーキ、横に傾けるとアクセルという具合に、一つのペダルで動作を完全に分けることで踏み間違いを防ぐことに成功しています。
ペダルの踏み間違い自体をしない構造になっている点で、ほかの対策品とは一線を画しているとても優れた製品です。
ナルセのワンペダルについてはこちらの記事に詳しく書いてあります。参考に読んでみてください。
マニュアル車をもう少し見直してもいいのでは?
車の暴走事故を起こしてしまっているのはAT車ばかりです。ペダルの踏み間違いによる事故だけでなく、車の制御用コンピュータの誤作動やハッキングなどが車の運転中に起きたとしたらとても怖いですよね。
エンジンの動力を瞬時に切り離すことができるクラッチ操作が必要なMTの車ならこれら誤作動が起きても事故を防げる可能性が非常に高いです。というか、暴走事故は起きないと思います。
私はいままで一度もAT車を買わずMT車にこだわり続けているのですが、その理由の一つに「誤作動による急加速が万が一起きた時でもクラッチさえ切れば暴走を防ぐことが可能だから」ということがあげられます。
この考えは昔から変わりません。
昔の時代なら暴走は起きなかったから昔からというのはおかしいのでは?と思うかもしれませんが、古い車でも暴走が起きることはありました。
それは、アクセルを踏んでワイヤーケーブルで引っ張られたスロットルを戻すための「バネ」が折れたり外れてしまうとアクセルペダルを放してもスロットルが戻らず、エンジン回転が上がったままになってしまうことがごく稀にありました。
それでも、クラッチを切ってエンジンの出力を遮断することで暴走を防ぐことができました。
車が暴走してしまったときなど、いざというときに瞬時に動力を遮断できることがどれだけ安全であるかということを再認識しています。
ATが主流になった今の時代、このことが見落とされたままになっています。AT車にクラッチをつけるのはナンセンスですが、緊急時に動力を遮断しにくい構造の見直しはできないものでしょうか?
例えば、ハンドルに緊急時に動力と車軸を遮断できるスイッチやボタンをつけたりとか・・。
MTの車というと、今では一部のスポーツカーや商用車くらいしか採用されにくい世の中になってしまいましたが今一度見直してもいいのではないでしょうか?
最近の重大な事故の加害者に多い高齢者の方もAT限定免許ができる前から運転免許を取得してる方が多いはずなので、MT車の運転はできるはずです。楽だからという理由だけでAT車に乗り続けるのは危険も伴うのではないでしょうか?
急発進を防いだり、暴走を防ぐという安全性の面から考えてもMTは優れていると思います。また、高齢者になってもMTの車を運転できるスキルがあるなら、悲惨な事故を起こす方も減るのではないかと思います。
ただ、これだけAT車が普及してしまっているとMTに乗りましょうと言っても実際は車種も限られてしまうので難しいとも思いますが・・・。
さて、私の個人的な考えや意見も多く書いてしまいましたが、みなさんはどのようにお考えでしょうか??
気に入っていただけたり面白かったと思っていただけたら「いいね!」やシェアしていただけると嬉しいです。
また、ご意見やご感想をコメント頂けるとありがたく思います。