ラジエーターとラジエーターキャップの役割
エンジンの発熱を水を循環させることによって温度を下げて温度調節をする水冷エンジンには熱交換器としてラジエーターがついています。
エンジンの内部を循環する冷却水はエンジンの熱で温度が上昇し、ラジエーターに当たる風によって温度が下がります。
ラジエーターはエンジンの熱を下げオーバーヒートを防ぐことができるとても重要なパーツです。
そのラジエーターにはラジエーターキャップがついています。
地味なパーツですが、非常に重要な役割があるのです。
この記事でわかること
ラジエーターキャップの役割とは?
ラジエーターキャップはラジエーターに冷却水を入れる口についているので、ただの蓋だと思っている方もいるようですがナメてもらっては困ります!ww
エンジンをオーバーヒートから守るとても大切な「蓋」なのです。
ラジエーターキャップの役割
1、ラジエーターの蓋・・・(笑)
2、圧力調整弁の役割
この2番の圧力調整弁の役割がとても重要なんです。
ラジエーターキャップの圧力調整弁の役割の一つは冷却水の温度上昇によって加圧することで100℃以上でも液体の状態を保つことです。
ポイント
地上の大気圧の状態で水は100度になると気化し液体が気体になってしまいます。
エンジンの中の水が万が一100度に達してしまった場合、冷却水が気体になってしまうことでエンジンを冷却できなくなってしまいます。
でも沸点が上がって100度を超えても液体のまま維持できればエンジンの冷却を続けることができます。
◎ラジエーターキャップには0.9や1.1のような表示がされています。
この数字によって冷却水の沸点が変わってきます。
0.9 :119 °C
1.1 :122 °C
1.2 :123 °C
1.3 :125 °C
1.5 :127 °C
冷却水の沸点を上げることで高温でも液体のまま循環させることができますが、その分冷却水の圧力が高くなるのでラジエーター本体やラジエーターホースなど循環パーツに負担が強くかかってしまいます。
最悪の場合はラジエーター本体やラジエーターホースなどのパーツが破損し、冷却水漏れを引き起こす原因になるのでラジエーターキャップを交換する場合は純正品と同じ圧力表示のラジエーターキャップを取り付けてください。
チューニングパーツとしてスポーツタイプのラジエーターには純正よりも高圧のラジエーターキャップがついていることがありますが、このような高性能タイプのラジエーターに交換するときはラジエーターホースも新品に交換したり強化品に交換したほうが良いでしょう。
冷却水の圧力を逃がす役割
エンジンの熱が高温になり、加圧した冷却水の沸点を超えてしまうような場合は、ラジエーターキャップの圧力調整弁が働き、それ以上圧力が上がらないように冷却水をリザーバータンクへ放出して圧力を逃がして減圧させます。
温度が下がった冷却水をラジエーターへ戻す役割
エンジンが過熱して減圧のためにリザーバータンクへ放出された冷却水は、エンジンが冷えて温度が下がってくると内圧が下がってくるため、圧力調整弁の働きによって吸い込まれてラジエーター内に戻ります。(圧力が下がりことで負圧の力が働き、リザーバータンクの冷却水を吸い込みます)
このように、ラジエーターキャップには水温によって変化するラジエーターの圧力を調整することでオーバーヒートを防ぎ、エンジンを常に快適な温度に保つ働きの一つを担っています。
ラジエーターキャップの交換時期とは?
普段クルマに乗っている方でも、ラジエーターキャップを自分で開けたり交換したことがあるという方は少ないのではないでしょうか?
「キャップって交換するものなの?」って思った方もいるかもしれません。
ラジエーターキャップは圧力によって動くバネと水が漏れないように密閉するゴムが使われています。
冷却水の温度が上がったり下がったりすることでゴム製品は劣化していき密閉性が悪くなっていくので定期的な交換が必要になってきます。
多くのラジエーターキャップの取説には「交換時期は1年に1回」と書いてあります。
ただしこれはかなり安全マージンをとった交換時期といえるかもしれません。
カーディーラー等で定期的に点検してもらっているような場合なら、車検、点検時にキャップの性能を点検して悪ければ交換するといったところでしょうか?
気になる方は、点検終了時にラジエーターキャップは大丈夫だったかを確認してみてください。
中古車を購入するなどして自分で愛車のメンテナンスをしている方は、ラジエーターキャップの動作点検はできないので、車検のたびに交換するといった交換時期を設定してもよいでしょう。
ポイント
ラジエーターキャップはとても重要なパーツですが、アマゾンや楽天市場でも1,000円以下で簡単に購入できますし、外し方や取り付け方もだれでも簡単に交換できるパーツなのでしばらく交換してないかも?と思ったら自分で交換してみるのも良いでしょう。
注意ポイント
冷却水の温度が上がっているときにキャップを外すと熱湯が噴き出して火傷をする危険があります。