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自動車保険の保険料がどうやって決まるのか調べると、必ず出てくるのが「等級」という仕組みです。
「20等級だと安い」「事故で3等級下がった」といった話を聞いたことがある方は多いと思いますが、具体的にどれくらい保険料が変わるのか、事故を起こしたらいつまで影響が続くのかまで把握している方は少ないかもしれません。
この記事では、自動車保険の等級(ノンフリート等級)の仕組みを整理し、事故で等級が下がるとどれくらい保険料が変わるのか、等級を上げるためのポイント、乗り換え時の注意点までを解説します。
ノンフリート等級制度とは
ノンフリート等級制度は、契約者の事故歴に応じて保険料を割引・割増する仕組みです。1等級から20等級まであり、等級が高いほど保険料の割引率が大きくなります。
初めて自動車保険に加入するときは6等級からスタートするのが基本です(セカンドカー割引が適用される場合は7等級から)。1年間無事故で保険を使わなければ、翌年に1等級上がります。最高は20等級で、20等級に到達すると割引率はもっとも大きくなります。
逆に、事故を起こして保険を使うと等級が下がります。通常の事故(3等級ダウン事故)では一度に3等級下がり、さらに「事故あり係数」が適用されて翌年以降の保険料が大幅に上がります。
つまり、無事故を続けることが、長い目で見て保険料を安くするもっとも確実な方法です。
等級による割引率の目安
等級によって保険料がどのくらい変わるのか、割引率の目安を見てみましょう。割引率は保険会社によって多少異なりますが、おおむね以下のような水準です。
| 等級 | 無事故係数の割引率(目安) | 事故あり係数の割引率(目安) |
|---|---|---|
| 1等級 | 64%割増 | 64%割増 |
| 3等級 | 12%割増 | 12%割増 |
| 6等級(新規) | 割引なし(基準) | — |
| 10等級 | 45%割引 | 23%割引 |
| 14等級 | 50%割引 | 25%割引 |
| 17等級 | 55%割引 | 38%割引 |
| 20等級 | 63%割引 | 44%割引 |
※割引率は保険会社・契約条件によって異なります。上記は一般的な目安です。
注目してほしいのは、同じ等級でも「無事故係数」と「事故あり係数」で割引率が大きく違うことです。たとえば20等級でも、無事故なら63%割引ですが、事故ありだと44%割引。同じ等級なのに、事故歴があるだけで割引率が大きく下がります。
事故で等級が下がるとどうなるか

事故を起こして保険を使った場合の影響を具体的に見てみましょう。
3等級ダウン事故の場合
もっとも一般的なパターンです。他の車との事故や自損事故で車両保険を使った場合などが該当します。等級が3つ下がり、さらに3年間「事故あり係数」が適用されます。
たとえば、20等級(無事故)の人が事故を起こして保険を使うと、翌年は17等級(事故あり)になります。無事故の20等級に比べて割引率が大幅に下がるため、保険料はかなり上がります。そして、事故あり係数が外れるまでに3年かかります。つまり、1回の事故の影響は3年以上続きます。
1等級ダウン事故の場合
盗難、台風・洪水・雹による損害、いたずら、飛び石によるガラス破損など、運転とは直接関係のない損害で車両保険を使った場合は1等級ダウンになることが多いです。事故あり係数の適用期間は1年間です。3等級ダウン事故に比べると影響は小さいですが、それでも翌年の保険料は上がります。
ノーカウント事故
保険を使っても等級に影響しない事故もあります。弁護士費用特約のみを使った場合や、ロードサービスのみの利用などがこれに該当します。ノーカウント事故であれば、等級は翌年に1つ上がります(通常の無事故と同じ扱い)。
事故あり係数とは

2012年から導入された「事故あり係数」は、等級制度を理解するうえで重要なポイントです。
以前の等級制度では、事故を起こして等級が下がっても、無事故の人と同じ等級なら同じ割引率が適用されていました。しかし現在の制度では、同じ等級でも「事故あり」と「無事故」で割引率が異なります。事故を起こした人は、等級が同じでも保険料が高くなります。
事故あり係数の適用期間は、3等級ダウン事故なら3年間、1等級ダウン事故なら1年間です。この期間中は、等級が上がっても「事故あり」の割引率が適用されます。
つまり、事故の影響は「等級が下がる」だけでなく、「事故あり係数で割引率がさらに下がる」という二重の影響があるわけです。
少額の修理で保険を使うべきか
車両保険を付けている方が悩みやすいのが、「少額の修理で保険を使うかどうか」という判断です。
たとえば、修理費が10万円の損害で車両保険を使うと、3等級下がって3年間「事故あり係数」が適用されます。翌年以降の保険料の増額分を3年分合計すると、10万円を超えることがあります。
この場合、保険を使わずに自費で修理したほうがトータルで安くなります。
もちろん、修理費が数十万円〜全損レベルの損害なら保険を使ったほうが負担は軽くなります。車両保険は「付けたら何でも使うもの」ではなく、大きな損害に備えるものと考えておくのが実用的です。
この考え方を踏まえると、免責金額を設定しておくのも合理的な方法です。もともと少額の修理では保険を使わない前提なら、免責金額を5万円や10万円に設定して保険料を下げるのは理にかなっています。車両保険の判断については車両保険はいらない?必要な人・外してもいい人の判断基準で詳しく解説しています。
等級に関する注意点

等級の仕組みでいくつか知っておきたい注意点をまとめます。
保険会社を変えても等級は引き継がれる
保険会社を乗り換えても、等級はそのまま引き継がれます。「等級が低いから保険会社を変えてリセットしよう」ということはできません。逆に、等級が高い場合も乗り換え先にそのまま引き継げるので、安心して比較・検討できます。
満期日から一定期間を過ぎると等級がリセットされる
保険を更新せずに一定期間(通常13か月)が経過すると、等級は6等級(新規)に戻ります。等級が高い人にとっては大きな損失になるため、保険の切れ目がないように注意してください。ただし、等級が低い(1〜5等級)場合は、この期間を利用して等級をリセットする人もいますが、その間は無保険になるリスクがあります。
セカンドカー割引(複数所有新規割引)
2台目以降の車の保険を新規で契約する場合、1台目の等級が11等級以上であれば、2台目は7等級からスタートできるセカンドカー割引があります。6等級スタートよりも保険料が安くなります。
等級の引き継ぎができる家族の範囲
同居の家族間であれば、等級を引き継ぐことができます。たとえば、親が車に乗らなくなったとき、親の20等級を同居の子どもに引き継ぐことが可能です。別居の家族(別居の子どもなど)には引き継げないため、子どもが独立する前に検討しておくと有利です。
よくある質問
等級が下がったら保険会社を変えるべき?
保険会社を変えても等級と事故あり係数は引き継がれるため、等級ダウンを回避する目的での乗り換えはできません。ただし、事故後に保険料が上がった状態で、同じ補償条件で他社のほうが安い場合は乗り換えを検討する価値はあります。
6等級から20等級になるまで何年かかる?
毎年無事故で1等級ずつ上がるため、6等級から20等級までは最短で14年かかります。長い道のりですが、だからこそ事故で等級を下げないことが大切です。
事故あり係数はいつ消える?
3等級ダウン事故の場合は3年間、1等級ダウン事故の場合は1年間で事故あり係数は消えます。その間、無事故であれば等級は毎年1つずつ上がりますが、事故あり係数が適用されている限り、同じ等級の無事故の人よりも保険料は高くなります。
車を手放して一定期間乗らない場合、等級はどうなる?
「中断証明書」を発行してもらえば、最大10年間等級を保存できます。海外赴任や車を一時的に手放す場合など、再度車に乗る可能性がある方は、保険を解約する前に中断証明書の発行を保険会社に依頼しておきましょう。
まとめ|等級は「長く無事故を続ける」ことで育てるもの
- ノンフリート等級は1〜20等級。等級が高いほど保険料の割引が大きい
- 初めての契約は6等級スタート。毎年無事故なら1等級ずつ上がる
- 事故を起こすと3等級下がり、さらに「事故あり係数」で割引率が下がる
- 1回の事故の影響は3年以上続く
- 少額の修理では保険を使わず自費で対応したほうがトータルで得なことがある
- 保険会社を変えても等級は引き継がれる
等級は一朝一夕で上がるものではありませんが、無事故を続けることが保険料を下げるもっとも確実な方法です。自動車保険全体の見直し方は自動車保険の見直し完全ガイドで、保険料を抑えるためのポイントは自動車保険を安くする方法|補償を削りすぎずに保険料を下げるポイントで解説しています。





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