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サーキット走行会や峠のワインディングが好きな人にとって、「遠出先で車が壊れたらどうするか」は常にある不安です。
JAF会員ならレッカー搬送が無料……ですが、無料なのは20kmまでです。自宅から100km以上離れたサーキットや峠でトラブルが起きた場合、20kmでは最寄りの修理工場にすら届かないことがあります。
この記事では、JAFのレッカー20km問題の現実と、遠征好きの車乗りがどう備えるべきかを整理します。
JAFの無料レッカーは20kmまで
JAF会員のレッカー搬送は、故障現場から最寄りの修理工場まで20kmが無料範囲です(2024年4月の約款改定で15kmから拡大されました)。超過分や非会員の具体的な金額はJAFのレッカー代はいくら?会員20km無料・非会員27,700円〜にまとめました。
- 20kmを超えた分は1kmあたり830円の超過料金がかかる
- 50km搬送なら超過30km × 830円 = 約24,900円
- 100km搬送なら超過80km × 830円 = 約66,400円
- 自宅まで搬送してもらうのではなく、「最寄りの修理可能な工場」までの距離で考える
都市部なら20km圏内にディーラーや修理工場がありますが、サーキットや峠がある場所は山間部が多く、最寄りの修理工場まで30km以上あることも珍しくありません。
サーキット・峠遠征でありがちなトラブル
遠征先でのトラブルは、日常の街乗りとは内容が違います。
- オーバーヒート:サーキット走行や峠の連続走行で水温が上がりすぎる。旧車は特にリスクが高い
- ブレーキトラブル:フェードやベーパーロック。サーキット走行後に公道で発生することもある
- 駆動系の故障:クラッチ滑り、ドライブシャフトの破損など。走行会で酷使した結果として帰路で発生
- タイヤのバースト:サーキットでの走行でタイヤに負荷がかかり、帰路の高速道路でバースト
- オイル漏れ・冷却水漏れ:走行後のパーキングで気づくパターンが多い
共通しているのは、帰りの道中で発覚することが多い点です。サーキットの駐車場ならまだ対処の余地がありますが、高速道路の路肩で動けなくなると危険度が一気に上がります。
JAFだけでは足りない場面と対策
JAFの20km無料レッカーでは対応しきれない場面に備えるには、保険のロードサービスとの併用が現実的です。
- 自動車保険のロードサービスでレッカー距離が長いプランを選ぶ:保険会社によっては50km〜100km、または「最寄りの修理工場まで無制限」のサービスがある
- JAFは日常のトラブル(バッテリー上がり、パンクなど)に使い、遠出先のレッカーは保険側を使う:役割を分けることで両方のメリットを活かせる
- JAF提携の保険ならレッカー距離が拡大される場合がある:JAF会員+提携保険で無料搬送距離が伸びるサービスも
保険を選ぶ際に「ロードサービスのレッカー距離」を比較する人は少ないですが、遠出が多い車好きにとってはここが一番効いてくるポイントです。

サーキット走行は保険・JAFの対象になるか
- サーキット走行中のトラブルは、保険のロードサービスの対象外。SBI損保は「レース・ラリーを目的とする場所等での作業」、三井ダイレクト損保は「レース、ラリー等通常と異なる走行」を対象外と規定に明記している
- 保険本体の補償も同じ。対人・対物賠償も車両保険も、競技・曲技のための使用、およびそれを行うことを目的とする場所での使用による損害は免責
- JAFの約款には、競技を理由にした除外規定がない。対象を公道に限る条文もなく、私有地は「施設の管理者の了解が得られていること」が条件
- 走行会によってはレッカー手配のサービスが含まれていることもある。参加前に確認しておくと安心
「サーキットで壊れた」と「サーキットの帰りに公道で壊れた」は扱いが違います。ただし、サーキットの帰り道なら必ず安心かというとそうでもありません。SBI損保の留意事項は場所ではなく原因で線を引いていて、「レース・ラリー等で契約自動車を使用し、発生したと考えられるトラブル」を対象外としています。走行会帰りの公道でも、原因が走行にあると判断されれば断られる可能性があると読めます。
いっぽうJAFのロードサービス利用約款を通しで読んでも、レース・競技を理由にした除外は出てきません。私有地について書かれているのは、第9条の「第三者が管理する場所で作業する場合は管理者の承諾を得ておくこと」と、第14条の「土地・施設等の管理者の了解が得られていない場合は実施しない」の2か所だけです。つまりサーキット側の了解が取れていれば、私有地でも作業できる建て付けになっています。実際、知り合いはサーキットでJAFに来てもらっています。
そもそもJAFは、FIA(国際自動車連盟)に公認された日本のASN=モータースポーツ統轄団体でもあります。国内競技の規則をつくって運営している組織なので、サーキットという場所自体が専門外ではない。とはいえ約款で出動を保証しているわけではないので、走行会に行くなら主催者側の体制もあわせて確認しておくのが確実です。
保険各社がサーキット走行をどう扱っているかは、規定の原文とあわせて自動車保険のロードサービス比較|JAFと主要7社を公式情報で徹底比較に整理しました。
私のケース|NB8Cで走行会に行くときの備え
NB8Cロードスターで走行会に参加することがあります。20年以上前の車でサーキットを走るのは楽しいですが、リスクとは常に隣り合わせです。
- JAF会員証は常に携帯。帰路の公道でのトラブルはJAFに頼れる
- 自動車保険はレッカー距離が長いプランを選んでいる(JAFの20kmだけでは不安)
- サーキット場内で自走不能になった場合に備えて、走行会のレッカー手配の有無を事前に確認
- 最低限の工具と冷却水・オイルの予備を積んでおく
「壊れたらどうしよう」と思いながら走るのではなく、「壊れたときの手順が決まっている」状態にしておくと、走行自体に集中できます。JAFと保険の2重体制は、遠征好きの旧車乗りにとっては精神的な安心材料でもあります。
まとめ:遠出する車好きは「レッカー距離」を基準にロードサービスを選ぶ
- JAFの無料レッカーは20kmまで。超過は1kmあたり830円
- サーキットや峠の遠征先では、20kmでは最寄りの修理工場に届かないことがある
- JAFは日常トラブル用、遠出先のレッカーは保険のロードサービスを使う「2重体制」が合理的
- サーキット場内のトラブルは保険のロードサービスが対象外。JAFは約款上の除外がなく、施設側の了解があれば対応可能
- 保険を選ぶときは「レッカー距離」を比較ポイントに入れる
遠出が好きな車乗りほど、ロードサービスの「距離」が効いてきます。JAFの20kmで足りない分は、保険のロードサービスで補う。この組み合わせを知っているかどうかで、遠征時の安心感が大きく変わります。


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