MENU

古い車の車検は通らない?高くなる理由と、2026年8月から変わったロービーム検査

※アフィリエイト広告を利用しています。

古い車に乗っていると、車検の時期が近づくたびに少し身構えます。「今回は何を言われるんだろう」と。

よく聞かれるのは「古い車は車検に通らないんでしょ?」という質問です。これは正確ではありません。年式が古いことそのものを理由に落とす検査項目は存在しません。ただ、落ちる箇所が増えるのと、受けてくれる工場が減るのは事実です。

そしてもうひとつ。2026年8月1日から、ヘッドライトの検査方法が完全に切り替わりました。これは古い車に乗っている人にとって、ここ数年で一番影響の大きい変更です。情報が追いついていない記事も多いので、まずここを押さえておいたほうがいいと思います。

この記事では、2003年式のNB8Cロードスターを維持している立場から、古い車の車検について「通るのか」「高くなるのか」「どこに出すか」を整理します。費用の内訳そのものは古い車の維持費は本当に高い?で税額まで出しているので、この記事は検査で何が起きるかのほうに寄せます。

目次

「古い車は車検に通らない」は本当か

結論から書くと、年式を理由に不合格になることはありません。検査は「いまのその車が保安基準を満たしているか」だけを見ます。30年前の車でも、基準を満たしていれば通ります。

ただし、古い車には次の2つが起きます。これが「通らない」と言われる正体です。

  • 劣化で基準を割る箇所が増える|ヘッドライトの光量、ゴムブーツの破れ、マフラーの腐食、ブレーキの引きずり。どれも年数で進みます
  • 受けてくれる工場が減る|これは車の問題ではなく工場側の都合です。部品が出ない、整備記録が分からない、作業時間が読めない。断る理由はいくらでもあります

検索すると「古い車の車検は断られますか?」という質問が実際に出てきます。断られるのは検査ではなく、工場の受付です。この違いを分けて考えると、やることがはっきりします。整備は工場選びの問題、合否は車の状態の問題です。

「10年を超えたら毎年車検」は1995年に廃止されている

いまでも根強く残っている勘違いです。「古い車は毎年車検」と思っている人が一定数いますし、親世代からそう聞いた人もいると思います。

これは1995年(平成7年)の道路運送車両法改正で廃止されました。それ以前は車齢11年を超えた自家用乗用車の車検有効期間が1年でしたが、この改正で2年に変わりました。

つまり現在は、どれだけ古い自家用乗用車でも車検は2年ごとです。新車の初回だけ3年、それ以降はずっと2年。28年落ちでも2年です。

時期車齢11年超の自家用乗用車
1995年の改正前1年ごと
現在2年ごと(年式に関係なく)

30年前に終わった制度の話が、いまだに「古い車は維持が大変」の根拠として語られているわけです。維持費が上がるのは税金のほうで、車検の回数は増えません。

2026年8月1日から、ヘッドライト検査がロービームに完全移行した

ここが本題です。古い車の車検で、いま一番落ちやすくなっているのはヘッドライトです。

何がどう変わったのか

もともと、1998年(平成10年)9月1日以降に製作された車はロービーム(すれ違い用前照灯)で光量と光軸を測るのが原則でした。ただし長いあいだ経過措置があり、ロービームで基準に届かない場合はハイビーム(走行用前照灯)で測って合格すればよいことになっていました。

この逃げ道が、2026年8月1日に終わりました。国土交通省・自動車技術総合機構・軽自動車検査協会が2026年5月に周知していた内容で、対象地域は全車ロービーム計測のみになります。

もともとは2024年8月1日に全国一斉で終える予定でしたが、検査機器の導入が一部地域で間に合わず2年延期されていました。北海道・東北は2024年8月に先行して切り替わっており、残りの地域が2026年8月に揃った、という流れです。

基準はロービーム1灯あたり6,400カンデラ以上

求められるのは次の2点です。

  • ロービーム1灯あたり6,400カンデラ以上の光度
  • 明確なカットオフライン(明暗の境界線)が出ていること

古い車がここで苦しむ理由は単純です。レンズの黄ばみ・くもりで光が散ると光度が落ち、境界線もぼやけます。ハイビーム測定なら光が強い中心部で測れるので誤魔化せていた部分が、ロービームでは通らなくなります。

樹脂レンズの車は特に効きます。磨いてコーティングするだけで通るケースもありますし、反射板(リフレクター)が劣化していると磨いても足りません。車検の直前ではなく、1か月くらい前に一度見ておくことをおすすめします。落ちてから手配すると、再検査の期限に追われます。

1998年9月1日より前の車は、これまでどおりハイビーム

ここは一部の旧車にとって救いのある部分です。1998年9月1日より前に製作された車は、完全移行後も例外として従来どおりハイビームでの検査が続きます。そもそもハイビームを主基準として設計されている世代なので、ロービームで測るのが筋に合わないという理屈です。

ややこしいのは、この1998年9月1日という線をまたいでいる車種があることです。NB型ロードスターはまさにそれで、デビューが1998年1月。初期の個体(1998年1〜8月製作)はハイビーム検査が続きますが、それ以降に作られた車はロービーム計測の対象になります。同じNB8Cでも扱いが分かれます。

ちなみに私のNB8Cは2003年式のNB3型なので、例外にはあたらず、完全に新基準側です。23年落ちの旧車に乗っているつもりでいても、ヘッドライト検査の線引きでは「新しい側」に入る。調べるまで自分でも曖昧でした。参考までに、NAロードスター(1989〜1998年)なら大半がハイビーム側に残ります。

自分の車が1998年前後なら、受ける工場か検査場に事前に確認しておくのが確実です。判断は製作年月ベースですが、実務では初度登録年月や型式から判断されることもあり、現場に聞くのが一番早いです。曖昧なまま持ち込むと、落ちてから慌てることになります。

OBD検査は古い車には関係ない(でも400円は払っている)

2024年10月1日から、車検の検査項目にOBD検査が加わりました。車載の自己診断装置から故障コードを読み出して、電子制御系に異常がないかを見る検査です。

「古い車はOBD車検が必要ですか?」という質問が実際によく検索されていますが、答えははっきりしています。

対象は2021年以降の国産車と2022年以降の輸入車です。それより前の車は対象外です。対象車の車検証には「OBD検査対象車」と記載されるので、自分の車が対象かどうかは車検証を見れば分かります。古い車はまず無関係です。

ただし、ひとつだけ注意があります。技術情報管理手数料の400円は、OBD検査の対象かどうかに関係なく全車が払っています。2021年10月1日から車検の法定費用に加わったもので、電子制御情報のデータベース維持に充てられています。

つまり古い車は、受けられない検査のための費用だけ負担していることになります。金額が小さいので文句を言うほどではありませんが、「古い車は関係ない」と書いてある記事を読んで400円も免除だと思っていると、見積もりを見て首をかしげます。

車検費用は、法定費用では変わらない

「古い車は車検が高い」と言われます。半分は当たっていますが、高くなる場所を取り違えている話が多いです。

年式で上がるのは重量税だけ

車検のときに払う法定費用は3つです。1.5t以下の18年超の車で並べると、こうなります。

法定費用金額(2年分)年式で変わるか
自動車重量税(〜1.5t・18年超)37,800円変わる
自賠責保険(24か月)18,560円変わらない
検査手数料(小型車・持込)2,500円変わらない
技術情報管理手数料400円変わらない

自賠責は2026年11月1日始期の契約から値上げされ、自家用乗用24か月が17,650円から18,560円になりました。検査手数料も2026年4月1日に改定されています(小型車の持込2,500円、普通車2,600円、指定整備工場経由なら2,100円)。どちらも年式とは無関係に全員が同じ額です。

年式で動くのは重量税だけで、13年超と18年超の2段階。1.5t以下なら13年超で9,600円、18年超でさらに3,600円の上乗せです。税額の全体像は別記事にまとめています。

本当に金額を動かすのは「その場で出てくる追加整備」

法定費用が約6万円。ここに車検基本料(点検料・検査代行料)が乗ります。この基本料は依頼先で差が大きく、ディーラーなら数万円、認証工場や車検専門店なら1〜2万円台から、ユーザー車検なら0円です。

ただ、古い車で総額を決めるのはここではありません。見積もりの段階では見えていなかった「これも換えておきましょう」が何本積まれるかで決まります。ブーツ、ホース、ベルト、ブレーキ。1本1本は数千円でも、まとめて来ると基本料の差など吹き飛びます。

だから安い車検を探すより、追加整備の判断を一緒にできる工場を見つけるほうが効きます。「いま必要なもの」「次の車検まで持つもの」「来年でいいもの」を分けて説明してくれる工場なら、総額は結果的に落ち着きます。逆に安さだけで選ぶと、本当に見てほしい箇所を素通りされます。

古い車にとっては、この「継続して見てもらえているか」が一番の節約です。前回何を換えたかを知っている工場なら、同じ箇所を二度見積もられることもありません。

古い車が車検で落ちやすい箇所

年数が経った車で引っかかりやすいのは、だいたい決まっています。事前に自分で見ておけるものもあります。

  • ヘッドライトの光量・カットオフライン|2026年8月以降の最大の関門。黄ばみとくもりを先に処理する
  • ドライブシャフトブーツ・ステアリングラックブーツの破れ|ゴムなので年数で裂ける。破れていれば一発で不合格
  • マフラーの腐食・排気漏れ|音量だけでなく穴も見られる
  • サイドスリップ|縁石ヒットや足まわりのへたりでずれる
  • ブレーキの効きと引きずり|片側だけ効きが落ちていると測定で出る
  • 下回りのオイルにじみ|漏れと判断されると直すまで通らない
  • タイヤの溝とひび割れ|溝1.6mmを切れば不合格。古い車は溝より先にゴムが終わることがある

この並びを見て気づくと思いますが、ほとんどがゴムと光りものです。どちらも走行距離ではなく年数で劣化します。距離を乗っていない旧車が「あまり走っていないのに車検で金がかかる」と言われるのは、これが理由です。

古い車の車検はどこに出すのがいいか

「古い車の車検はどこで受けられるのか」も、よく検索されている疑問です。選択肢ごとの向き・不向きを正直に並べます。

依頼先古い車での向き・不向き
ディーラー部品が出る年代なら安心。ただし古すぎると断られることがある。基本料は高め
その車種に詳しい専門店旧車・趣味車なら第一候補。部品の入手ルートと勘所を持っている
町の認証・指定工場継続して見てもらえるなら強い。古い車を嫌がらないかは店ごと
車検専門店・カー用品店速くて安いが、旧車の個別事情には踏み込まない前提
ユーザー車検基本料0円。ただし整備と不合格時の再検査は自力。自分で触れる人向け

私の考えは単純で、旧車・趣味車はその車を分かっている店に継続して見てもらうのが一番安いというものです。1回の金額ではディーラーや専門店のほうが高く見えますが、無駄な交換が減るぶん数年で逆転します。何より、部品が出なくなったときに相談できる相手がいるかどうかが違います。

なお、どこに出すにせよ車検は満了日の2か月前から受けられます。2025年4月1日の制度改正で、それまでの「1か月前から」が2か月前に広がりました。年度末の混雑緩和と整備士の働き方改善が理由です。

ここが地味に重要で、この2か月の期間内に受ければ、次の有効期間は満了日の翌日から2年で計算されます。早く受けても日数を損しません(改正前は1か月より早く受けると、その分だけ期間が削られていました)。

古い車は落ちたときの手当てに時間がかかります。ヘッドライトを磨く、部品を取り寄せる、再検査に行く。この2か月をまるごと使えるようになったのは、旧車乗りにとってはっきり有利な改正です。ぎりぎりに持ち込む理由はもうありません。

車検を機に「乗り続けるか」を考えるなら

車検は、古い車に乗っている人が維持費と向き合う数少ないタイミングです。大きな見積もりが出たときに「これ、まだ乗る意味あるのかな」と思うのは自然なことだと思います。

ただ、車検の見積もり額だけで決めるのはおすすめしません。乗り換えても車両価格・保険料・また来る車検が付いてきます。判断するなら年間の総額で並べるほうが間違いません。

そして、乗り続けると決めたなら削る場所を間違えないことです。税金は誰が払っても同じ額で、車検の法定費用も一律。古い車の維持費で自分の判断が入る余地が残っているのは、実質的に任意保険だけです。

車検のときに自賠責を払うので、任意保険のことも同時に思い出しやすいタイミングでもあります。賠償や人身傷害を削るのではなく、同じ補償内容のまま会社を比べるほうが先です。

\ 補償はそのままで保険料だけ下がることもあります /

よくある質問

古い車は車検が高くなりますか?

法定費用のうち重量税だけが上がります。1.5t以下の車で13年超は9,600円、18年超はさらに3,600円の上乗せです(車検1回あたり)。自賠責と検査手数料は年式に関係なく同額です。総額が上がるとすれば、原因は税金ではなく追加整備のほうです。

古い車の車検は何年ごとですか?毎年になりますか?

2年ごとです。「11年を超えたら毎年」という制度は1995年(平成7年)の道路運送車両法改正で廃止されました。現在はどれだけ古い自家用乗用車でも有効期間は2年です。

古い車もOBD検査を受ける必要がありますか?

必要ありません。OBD検査(2024年10月1日開始)の対象は2021年以降の国産車・2022年以降の輸入車です。対象車の車検証には「OBD検査対象車」と記載されます。ただし技術情報管理手数料400円は2021年10月から全車が払っているので、対象外でもこの400円はかかります。

ヘッドライトがロービーム検査に変わって、旧車はどうなりますか?

1998年9月1日より前に製作された車は、従来どおりハイビームでの検査が続きます。それ以降に製作された車は2026年8月1日から全車ロービーム計測です。1998年前後の年式は境目にあたるので、受ける工場か検査場に確認しておくのが確実です。

古い車の車検をディーラーで断られたらどうすればいいですか?

断られたのは検査ではなく受付なので、別の工場を探せば済みます。その車種に強い専門店か、旧車を扱っている認証・指定工場が現実的です。断られた理由(部品が出ない、作業時間が読めない等)を聞いておくと、次の店に相談しやすくなります。

車検に落ちたらどうなりますか?

不合格箇所を直して再検査を受けます。同じ検査場なら一定期間内は不合格箇所だけの再検査で済みます。問題は車検が切れた状態で公道を走れないことなので、満了日ぎりぎりに持ち込むとレッカーや仮ナンバーの手配が必要になります。2025年4月から満了日の2か月前から受検できるようになったので、古い車はこの期間を使って早めに受けるのが安全です。

まとめ|落ちる理由は年式ではなく、ゴムと光りもの

  • 年式を理由に落ちる検査項目はない。断られるのは工場の受付で、合否は車の状態の問題
  • 「10年超は毎年車検」は1995年に廃止済み。いまはどんなに古くても2年ごと
  • 2026年8月1日からヘッドライトはロービーム計測に完全移行。1998年9月1日より前の製作車は例外でハイビーム継続
  • OBD検査は2021年以降の国産車から。古い車は対象外だが400円の手数料は全車負担
  • 法定費用で年式に動くのは重量税だけ。総額を決めるのは追加整備の判断
  • 2025年4月から満了日の2か月前から受検できる。日数も損しないので、古い車はこの余裕を使う

古い車の車検で怖いのは、金額そのものよりいくらになるか分からないことだと思います。だから、分かる部分を先に分けておく。法定費用は計算できて、落ちやすい箇所も決まっている。残るのは追加整備の判断だけです。

そこまで整理できていれば、車検は「身構えるイベント」から「2年に1回の予算」に変わります。ヘッドライトだけは早めに見ておいてください。今年からの関門はそこです。

関連記事

面白かった!役に立った!と思ったら 
シェアお願いします!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

仕事でもプライベートでも「安全運転」を意識しながら車とバイクに乗っています。ゴールド免許を4回連続更新中、自動車保険は無事故で20等級を維持。JAF公認モータースポーツにも参戦し、ジムカーナ・ダートトライアル・ラリー(Bライセンス)や富士スピードウェイでの富士チャンピオンレース(Aライセンス)を経験、富士スピードウェイ・袖ヶ浦フォレストレースウェイの走行ライセンスも保有しています。「スポーツ走行と安全運転」は矛盾しないというのが持論です。

コメント

コメントする

目次