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「車を2台持つのはもったいない」「セカンドカーなんて無駄」。よく言われることですし、条件によってはそのとおりだと思います。
私は、普段使いの軽バン(スズキ エブリイ・4ナンバー)と、趣味用のNB8Cロードスター(2003年式)を分けて持っています。ほかに趣味用のバイク(XSR155)もあります。買い物や仕事で客先へ行くときはエブリイで、ロードスターは週末とサーキットのときだけ乗ります。
この形にして後悔したことはありません。ただ、セカンドカーが無駄になるかどうかは、2台の役割がはっきり分かれているかでほぼ決まると思っています。この記事では、趣味車と普段使いの車を分けた理由と、2台持ちで実際にかかるお金を整理します。
私の3台の役割分担
| 車両 | 役割 | 主な使い方 |
|---|---|---|
| スズキ エブリイ 軽バン・4ナンバー | 普段使い | 買い物、仕事で客先へ行くとき |
| NB8Cロードスター 2003年式 | 趣味 | 週末のドライブ、サーキット(秋〜冬が多い) |
| XSR155 155cc・軽二輪 | 趣味 | ツーリング |
ポイントは、日常の用事をすべてエブリイが引き受けていることです。ロードスターにもバイクにも「生活のために乗らなければならない」日がありません。趣味の2台を、趣味としてだけ使える状態にしています。
趣味車と普段使いの車を分けた4つの理由
1. ロードスターを日常で消耗させたくない
一番大きいのはこれです。NB8Cは20年以上前の車で、純正部品には供給が終わっていくものもあります。壊れたら直せるとは限らない車を、買い物や仕事の移動で減らしていくのはもったいないと考えています。
日常の足にすると、走行距離が伸びるだけではありません。短距離の繰り返し、ストップアンドゴー、スーパーの駐車場でのドアパンチ。どれも趣味の時間とは関係のないところで車を傷めます。普段使いを別の車に任せれば、ロードスターが減っていくのは「楽しんだぶん」だけになります。
→ 古い車の維持費は本当に高い?13年・18年で上がる税金とNB8Cで実感した本当の出費(部品供給の話)
2. 2人乗りで、荷物が載らない
ロードスターは2人乗りで、トランクも大きくありません。週末に2人で出かけるぶんには困りませんが、まとめ買いや仕事の道具を運ぶとなると話が変わります。
エブリイは荷室が広く、後ろの席を倒せば大きな荷物もそのまま載ります。趣味車に実用性を求めず、実用車に趣味性を求めない。1台で両方を満たそうとすると、どちらも中途半端になりがちです。
3. サーキットで壊れても、生活が止まらない
サーキットを走る人にとっては、ここがかなり大きいと思います。
サーキットで車を壊すと、修理には時間がかかります。しかも一般的な自動車保険では、レース・ラリーなどの競技や、それを目的とする場所での使用によって生じた損害は補償の対象外とされています。修理費は自分持ちになり、部品待ちで入庫が長引くこともあります。
車が1台しかなければ、その間は買い物にも仕事にも行けません。足が別にあるから、壊れたときのことを必要以上に心配せずに走れる。これは数字にしにくいですが、2台持ちにしてよかったと一番感じる部分です。
→ 峠・サーキット遠征で車が壊れたら|JAFのレッカー20km問題と現実的な対策
4. 仕事で客先に乗っていける
仕事で客先へ行くことがあります。そのとき、車高の低い2人乗りのオープンカーで乗りつけるのは、正直なところ気が引けます。駐車場の段差や狭い場所への停めやすさも、ロードスターは得意ではありません。
軽バンなら、仕事の車として違和感がありません。趣味の車と仕事の車を分けておくと、乗る場面で迷うことがなくなります。
2台目のコストは「税金」より「保険と駐車場」
「2台持ちはもったいない」と言われるとき、頭にあるのは維持費だと思います。実際にいくら増えるのか、普段使いの車を軽バン(4ナンバー・自家用の軽貨物)にした場合で見てみます。
普段使いを軽にしたのは、ほぼコストのため
普段使いの車を軽にした理由は、かなりの部分がコストです。毎日の用事に使う車にはお金をかけず、そのぶんを趣味の2台に回したいと考えました。
- 税金が安い|自家用の軽貨物なら軽自動車税は年5,000円。普通車の自動車税とは桁が違う
- 消耗品が安い|とくにタイヤ。サイズが小さいので、4本そろえても普通車よりかなり安く済む
- 4ナンバーでも車検は2年ごと|普通車の4ナンバー(貨物)は2回目以降が毎年車検になるが、軽なら貨物でも2年ごと
毎日の足は、タイヤやオイルの交換がいちばん多く回ってくる車です。交換の回数が多い車ほど消耗品の単価が効いてくるので、普段使いを軽にした効果は大きいと感じています。
軽バン(4ナンバー)の税金と自賠責
| 項目 | 金額 | 年あたり |
|---|---|---|
| 軽自動車税(自家用・貨物) | 5,000円/年 | 5,000円 |
| 自動車重量税(軽・2年) | 6,600円/2年 | 3,300円 |
| 自賠責保険(軽・24か月) | 18,660円/2年 | 9,330円 |
| 合計 | — | 約17,600円 |
軽自動車税は2015年4月以降に初めて検査を受けた車の税額です。2013年4月〜2015年3月の車は4,000円、初回検査から13年を超えると6,000円になります。重量税も13年超で8,200円、18年超で8,800円(いずれも2年分)に上がります。自賠責は2026年11月1日始期の契約からの額で、それより前は17,540円でした。
車検の周期も、軽バンを選びやすい理由のひとつです。普通車の4ナンバー(貨物)は2回目以降が毎年車検ですが、軽は4ナンバーでも2年ごとです。5ナンバーの軽乗用車との違いは、新車のときの初回が3年か2年かだけで、その後の周期は変わりません。
それでも、税金と自賠責だけなら年2万円もかかりません。「2台目は税金が大変」というのは、少なくとも軽バンには当てはまりません。
本当に効いてくるのは保険と駐車場
2台目のコストを左右するのは、税金ではなく次の2つです。
- 任意保険|2台目は新規契約になるので、等級の始まり方で保険料が大きく変わる。使用目的や運転者の範囲でも変わる
- 駐車場|自宅に2台分のスペースがあるかどうか。月極を借りるなら、地域によっては税金の何倍にもなる
ここにガソリン代やタイヤ、オイル交換が乗ります。ただ、ガソリン代は「どちらの車で走るか」が変わるだけで、2台にしたから倍になるものではありません。2台持ちにして純粋に増えるのは、税金・車検・保険・駐車場・消耗品の「2台目のぶん」です。
乗り換えを考えるときと同じで、維持費は総額で並べると判断しやすくなります。
→ 車を乗り換えるなら維持費・保険・税金も込みで考える|総額で判断する乗り換え術
2台持ちの保険で気をつけたいこと
2台目のコストの本体が保険なので、ここは丁寧に見ておく価値があります。気をつけたいのは3つです。
2台目は「セカンドカー割引」で7等級から始められる
自動車保険を新しく契約すると、通常は6等級から始まります。ただ、1台目が11等級以上などの条件を満たしていれば、2台目を7等級から始められる「セカンドカー割引(複数所有新規)」があります。最初の等級が1つ違うだけで、保険料はかなり変わります。条件の詳細は別記事にまとめています。
→ セカンドカー割引とは?2台目の自動車保険を7等級から始める条件
仕事に使う車は「使用目的」を確認する
任意保険には「日常・レジャー」「通勤・通学」「業務」という使用目的の区分があり、業務がいちばん保険料が高くなります。業務使用の目安は、年間を通じて月15日以上、業務に使うかどうかです(基準は保険会社ごとの規定が優先)。
普段使いの車を仕事にも使っているなら、実際の使い方と契約の区分が合っているかを一度確認しておくと安心です。使用目的は告知の対象で、使い方が変わったときは保険会社に知らせる義務もあります。安いからといって実態より軽い区分にしておくと、事故のときに困ることになります。
趣味車と普段使いでは、必要な補償が違う
2台を同じ条件で契約する必要はありません。毎日乗る普段使いの車と、週末しか乗らない趣味車では、事故の起きやすさも、壊れたときの困り方も違います。
- 運転者の範囲・年齢条件|趣味車は本人しか乗らないなら絞れる
- 車両保険|時価の低い古い趣味車は、保険金額と修理費のバランスで判断する
- サーキットは対象外|競技やそれを目的とする場所での損害は補償されない前提で考える
2台持ちは保険も2契約です。同じ補償のまま会社を比べたときの差も、2台分になります。更新のタイミングが来たら、2台まとめて見積もりを取ってみると判断しやすいと思います。
\ 2台分の保険料を、補償はそのままで比べる /
セカンドカーが「無駄」になる人、ならない人
ここまで書いてきたことを、判断の基準としてまとめます。
| 無駄になりやすい | 無駄になりにくい |
|---|---|
| 2台の用途がほぼ同じ | 用途がはっきり分かれている(趣味と実用、仕事と私用) |
| 2台目に乗る理由がなんとなく | 1台目を長く大事に持ちたい |
| 駐車場を高い月極で借りる必要がある | 自宅に2台分のスペースがある |
| 片方をほとんど動かさず放置する | どちらも定期的に動かして手入れしている |
| 1台止まっても生活に困らない | 1台止まると仕事や生活が止まる |
「後悔した」という声の多くは、左の列に当てはまる人だと思います。とくに2台の役割が重なっていると、どちらかが「なくても困らない車」になって、維持費だけが残ります。
逆に、通勤や近所の移動だけのために2台目を考えているなら、車ではなく125cc以下のバイクという選択肢もあります。自動車保険のファミリーバイク特約で保険を安く抑えられる場合があります。
2台持ちの落とし穴|乗らない趣味車ほど「年数」でお金がかかる
普段使いを分けると、趣味車に乗る回数は当然減ります。ここに見落としやすい落とし穴があります。
車は、乗らなくても年数で傷んでいきます。バッテリーは放置すれば上がりますし、タイヤのゴムは溝が残っていても硬くなります。ブレーキフルードは乗っていなくても水分を吸います。走行距離が少ないから安心、とはいきません。
なので、私は趣味の2台ほど距離ではなくカレンダーで手入れをしています。エンジンオイルはロードスターもバイクも春と秋の年2回で、ロードスターはサーキットの多い秋〜冬には走行4時間ごとにも替えています。ブレーキフルードはサーキットを走るロードスターが毎年、バイクは2年ごとです。2台目を持つなら、趣味車の手入れを「乗ったら」ではなく「時期が来たら」にしておくのが、結局は安くつくと思っています。
- ブレーキフルードの交換時期は何年?距離ではなく年数で替える理由と、車検のないバイクの落とし穴
- バッテリー上がりをJAF非会員で呼んだら2万円超え?会員と非会員の料金差の現実
- タイヤの寿命は何年?製造年月の見方と交換時期の目安について
よくある質問
セカンドカーは無駄ですか?
2台の役割が分かれていなければ、無駄になりやすいです。趣味車と普段使い、仕事と私用のように用途がはっきり分かれていて、1台が止まると困る状況なら、無駄にはなりにくいと思います。
2台目が軽バン(4ナンバー)だと維持費はいくら増えますか?
税金と自賠責だけなら年あたり約1万8千円です(軽自動車税5,000円、重量税6,600円/2年、自賠責18,660円/2年)。実際の差を大きく左右するのは、任意保険と駐車場代です。
4ナンバーの軽バンの車検は何年ごとですか?
新車のときから2年ごとです。普通車の4ナンバー(貨物)は2回目以降が毎年車検になりますが、軽は貨物でも2年ごとです。5ナンバーの軽乗用車との違いは、初回が3年か2年かだけです。
2台目の自動車保険を安くする方法はありますか?
条件を満たせば、セカンドカー割引(複数所有新規)で7等級から始められます。あわせて、運転者の範囲や年齢条件、車両保険の有無を車ごとの使い方に合わせて設定すると、必要な補償を残したまま保険料を抑えやすくなります。
趣味車を普段使いにしてはいけませんか?
いけないことはありません。部品が普通に出る年式で、荷物や人数に困らないなら、1台で済ませるのが一番安上がりです。ただ、部品が出にくい古い趣味車を長く持ちたいなら、日常の消耗を別の車に任せる価値は十分にあると思います。
まとめ|無駄かどうかは「役割が分かれているか」で決まる
- セカンドカーが無駄になるかは、2台の役割がはっきり分かれているかでほぼ決まる
- 趣味車と普段使いを分けると、趣味車の消耗を「楽しんだぶん」だけにできる
- サーキットで壊しても保険は出ない前提。足が別にあることの安心感は大きい
- 普段使いを軽にすると税金とタイヤが安く、4ナンバーでも車検は2年ごと。税金と自賠責だけなら年2万円弱で、本体は保険と駐車場
- 2台目はセカンドカー割引と使用目的を確認。補償は車ごとの使い方に合わせる
- 乗る回数が減る趣味車ほど、手入れはカレンダーで
私にとって普段使いの軽バンは、ロードスターを趣味の車のまま持ち続けるための車です。2台目の維持費は、趣味車を守るための費用だと考えると納得できます。「もったいない」かどうかは、2台目が何を守っているかで決まるのだと思います。


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